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蝶を採集し始めた1964年ころ、当時愛読していた 「原色日本蝶類図鑑(保育社)」には、本種は掲載されていなかった。存在自体知らなかった。 社会人になり、東京で働くようになった1980年に昆虫雑誌で始めてその存在を知った。 外国から持ち込まれて繁殖しているらしい。場所は、百草園(もぐさえん)とあった。日本の蝶には みられない長く細い尾をもつ本種を、なんとかして採集したいとの思いが強く、百草園にでかける ことにした。 百草園は、東京都日野市に所在する庭園で、京王線百草園駅より歩いて10分ほどのところにある。 7月のある日、手ぶらででかけることにした。有名な庭園で補虫網を振り回すのはまずいと思い、 採集はあきらめ、せめて飛翔中の姿を観察できれば、との気持ちだった。庭園の中をぶらぶら歩いた。 晴天無風の気持ちの良い日だった。しばらく歩くと茅葺屋根の立派な東屋があった。一休みしながら 周りの景色を見渡した。樹々や草花がよく手入れされていた。このような管理された場所で、本種と 出会うことは難しいだろうなと感じつつ、再びぶらぶらと歩きだした。 半日ほど散策したが、結局出会うことはできなかった。それでも、ひょっとすると現れるかもしれない、 との期待感でワクワクしながら楽しい時間を過ごすことができた。(2019年4月記)