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上段オス、下段メス 採集データ:共通
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蝶を採集し始めた小学4年の頃から、本種は 憧れの蝶だった。図鑑でみるその姿は存在感が際立っており、出会いを楽しみにしていた。以下、 印象深い最初と2回目の出会いをご紹介します。 高校時代、東京の青梅(おうめ)市に住んでいた。ある日、本種の採集を計画し、昆虫雑誌に紹介されていた 山梨県の日野春(ひのはる)を訪れることにした。昼過ぎに中央線の日野春駅で下車し、付近を見渡した。 当時(今から48年前)駅前には食堂がそば屋一軒しかなく、民家もまばらで寂しい印象だった。 そば屋で食事を済ませ、駅から雑木林へ未舗装の道路が続いていたので、ゆっくり歩きだした。快晴で風もなく、 かなり暑い日だった。汗を拭きながら歩いていると、前方から地上2メートル程のところを、一頭の 蝶が羽ばたきもせ真っすぐにこちらに向かってきた。攻撃してくるように感じた。1メートル程に 迫ったところで、補虫網を思い切り振り下ろし採集した。本種との初めての出会いだった。ほぼ完全な オスで、その後オス4頭、メス1頭採集した。いずれも胸を押してもなかなか死なず、オロオロしたのを覚えている。 勿論、その素晴らしい姿に感動したことは言うまでもない。 その後、当時両親の住んでいた岩手県釜石市で出会った。山林の中の巨木の周りを旋回していた。数十メートルは 離れていたが、その羽ばたきの少ない力強い飛翔は紛れもなく本種と確信した。そのうち、一羽の雀が山林から 飛び出してきて近寄って行った。その蝶は旋回をやめ、一直線に雀の方に向かっていき、驚いた 雀はバタバタと逃げて行った。改めて本種の力強さに驚かされた。(2019年5月記)