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幼少の頃より図鑑で本種のことは強く印象に残っていた。「素晴らしいな。 こんな蝶が世界にはいるんだな。」と驚き、間違いなく地球上で一番美しい蝶だと思った。 アマゾンの密林に住み、自分には手の届かない蝶だな、と所有することなど思いもよらなかった。 社会人になって札幌に住み始めたころ、実物の標本を目にする機会があった。小樽へ遊びに行き、たまたま 訪れた博物館で本種が展示されていた。初めて実物に出会い、昔の熱い思い出がよみがえってきた。 それは商品でもあり、1万円の値が付いていた。買えない値段でもなかったが買わなかった。 標本がとても脆いものであることを身に染みて経験していたからだ。引っ越しで何度も悔しい思いを した。喉から手が出るほど欲しかったが、購入後に不注意で破損させてしまった場合の悔しさを思うと 躊躇せざるを得なかった。 その後しばらく本種は記憶から遠ざかっていた。2002年単身赴任の仙台で、たまたま インセクトカーニバルという昆虫標本の売買の催し物が開催されることを知り、訪れてみた。標本を買う つもりはなく、どんな虫が取引されているかみてみよう、といった軽い気持ちだった。そこでは本種も売られていた。 以前小樽でみた標本よりかなり小さめの個体だった。値段は3千円弱だった。小さなプラスチックケースに 納められたその標本は、大きさには少し意外な気もしたが、強烈な青い金属光沢の輝きは紛れもなく 憧れていた本種だった。不注意で破損させても、翅だけ残して楽しめるだろうと思い、購入した。 裏面を見て拍子抜けしたものの、表面の青い輝きを見るたびに、「やはりこの蝶は世界一 美しい蝶だな。」と自己満足の世界に浸ってしまう。(2019年6月記)