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今年最も印象に残った出会いが本種だった。 自宅近くの林道を散策中、午後2時頃、林道の脇に転がっている太さ30センチ、長さ1メートル 程の白樺の朽ちかけた倒木にふと目を向けた時だった。草むらに隠れた倒木の上にほんのわずかに 動くものに気が付いた。そのまま見ていると、ゆっくりと黒っぽい虫が、ノッソリノッソリ と草むらから頭を出してきた。幼い頃テレビでみたウルトラマンに出てくる怪獣がミニチュアの 森林から出てくるような印象だった。ほぼ全身が現れたところで採集した。図鑑で何度も見たことのある 本種だとすぐに分かった。記憶では鮮やかなオレンジ色の斑紋が印象的だったが、当個体では黄色に 近い山吹色だった(写真よりずっと黄色っぽい)。場所は比較的人家に近いところで、こんなところで 本種に出会えるとは夢にも思わなかった。前足に突起のあるオスだった。限りなく黒に近い艶のある焦げ茶色 と山吹色の斑紋との対比が美しい。山吹色が焦げ茶色に溶け込む様子など、何度見ても惚れ惚れする。自然の 奥深い一面を新たに垣間見ることができ、楽しい一日だった。(2009年12月記)