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本種を採集した時の状況はよく覚えている。車で40分程の 八剣山入口で採集を試みた時の事だった。カミキリムシに興味を持ち始めて3年ほど経った頃で、例え 普通種でも初採集の喜びを味わえる幸せな時期だった。この時もワクワクしながら目的地に向かった。 入口に通じる細い林道をゆっくりと運転していった。入口まであと少しの所で、左手に開けた場所が有り、 倒木が数本積み重なっていた。中ほどにプレハブの小さな作業小屋があった。誰もいなかった。 車を降りて調査することにした。 最初は何も見つからなかった。倒木に近づいてよく見ると、ジッと身を固め、長いヒゲを真っすぐ 前に伸ばしている虫がいた。摘まんでみてはっきりとカミキリムシと確信した。他にも何頭も見つける ことができた。その虫たちは、逃げる様子もなくそのままの状態を保っていた。こんな機会はもう ないだろうと思い少し多いかなとも思ったが、8頭採集した。少し離れた場所の倒木にも数頭見る 事ができた。 翌年同じ場所を訪れてみると、そこには立派な平屋建てが有り、倒木は跡形もなく消えていた。 本種との出会いは現在までこの一度だけだった。(2019年12月記)