マイ昆虫記録館>鞘翅目>コガネムシ科
強い光での美しい輝き(右端)
鞘翅目(コガネムシ科)へ戻る 鞘翅目へ戻る トップページへ戻る
幼少の頃、当時住んでいた横浜で、 鬱蒼とした雑木林の中を歩いているとき、緑色にキラキラ輝く虫が太い幹に止まっているのを見た覚えがあった。 何年か経ち、昆虫図鑑で本種の標本を見た時、すぐに「あの時の虫だ。」と気付いた。蝶を採集する ようになってからは何度となく出会い、その美しさに目を奪われながらも採集することは なかった。社会人になり、甲虫に興味を持ちだしてからは一度も出会うことができなかった。いつしか 記憶は薄れ、本種の美しさも忘れ去られていた。 ある日、住宅街に残された小さな雑木林を散策している時だった。雲の多い日で、 雑木林の中は薄暗かった。左手に細い枯枝が数本積み重なっている所に何気に目を向けると、 鮮やかな緑色の本種がジッと止まっていた。「輝く」というより「とろける」といった方が ふさわしい、なんとも言えない美しい緑色だった。幼少の頃の初めて出会った時の感激が つかの間蘇ってきた。(2011年8月記)